彩りの日々
かずくんの出発の日はすぐにやってきた。

失恋につけこめだなんていうしょうちゃんの言葉が頭の隅で引っかかって、私は自分が妙な事を口走ってしまうのではないかと少し冷や冷やしたけれど、勿論そんな事はなく。

きちんといつものように仲良しの幼馴染としてかずくんを笑顔で送り出した。

「翔のことよろしくな?」

と、ぽんぽんといつものように頭を撫でるかずくんに寂しい気持ちはやっぱりあったけれど、この関係が壊れてしまうほうが私は怖い。

とんだ臆病者だと自嘲するけど、それでいい。

それがいい。

私がずっと自分でそうなるように選んできたこれも平凡平穏な日々の一部だから。



それに悪いことだらけじゃない。

会えないのは寂しいけど、スマホでの連絡は多くとるようになった。

新しい環境はどうだとか話のタネは尽きないし、しょうちゃんのことを心配しているかずくんはその様子を尋ねるために私に頻繁に連絡を寄越す。
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