Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。




「ご馳走様でした。とても美味しかったです。」

「そうか、良かった。」

それは嘘ではない。
本当に美味しかったけど、でも、私の頭の中は元の世界に帰ることでいっぱいだった。



正直言って、私は完全な負け組で…
働いてるのも大した会社じゃないし、普段からお金を切り詰めて海外に行くのが私の唯一の趣味だ。
まだ、韓国とフランスしか行ったことないし、彼氏はいないし、そんなに親しい友達もいないから、一人で参加したけれど、それでも、楽しかったのに、なんで異世界になんて呼び出されるわけ!?
しかも、こんな大昔みたいに不便な世界に。
それだけじゃない。
殺されるために呼び出されたんだよ。
こんなこと、納得出来るわけがない。



「おばあさん、さっきの話ですが…」

おばあさんの表情が暗く曇った。



「無駄な期待はせん方が良い。」

「で、でも、帰れないわけではないと…」

「あぁ、その通りじゃ。
しかし、元の世界に戻るには、大きくて歪みのない完璧な鏡が必要じゃ。
ここでは、鏡はたいそう高価なものなんじゃ。
異界と繋げられるような鏡は、城か名門貴族の屋敷にしかない。」

「私、働きます!働いてお金を貯めますから!」

「おまえさんが死ぬまで働いてもおそらく買うことは出来ないじゃろうな。」

「え……」
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