Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「えっと、何からしましょうか?」

「そうですね。まずは洗濯でしょうか?」

「わかりました。」

ジョゼットさんに着いて行くと、洗濯物の山があった。
見上げる程高く積まれていた。
ジョゼットさんが、汚れ物を運び出したので、私も同じようにした。
ジョゼットさんは、リヤカーみたいなものを持って来て、洗濯物をそこに乗せた。



「川はこちらです。」



(川?)



歩いてるうちに気がついた。
そうだ。洗濯は川でするんだ。
日本の昔話でも、おばあさんが川に洗濯に行く話があったよ。



今までは、洗濯機に放り込んで、終わったら干すだけだったけど、ここでは全部自分で洗わないといけないんだ。
大変だなぁ…



「川は近いんですか?」

「はい、近いですよ。」

他愛ない会話を交わしながら、川へは15分くらいで着いた。
緩やかな流れの小さな川だ。



「では、よろしくお願いします。」

ありゃ。ジョゼットさんは帰るんだね。
そっか、お母さんをひとりにはしておけないもんね。



「あ、ジョゼットさん、洗剤は?」

「洗、剤…とは?」

ジョゼットさんはきょとんとしている。
あ、なるほど。ジョゼットさんは家事をあんまりしないから、知らないのかな?



「洗濯をするには洗剤が必要ですよね?」

「あぁ、灰汁のことですね。
今、うちには灰汁がないので、普通に洗って下さい。」

え?普通にって…
洗剤もないのに、どうやって…
途方に暮れる私を置き去りにして、ジョゼットさんは帰ってしまった。
< 52 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop