Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「とても美味しいです!
梓さん、本当にありがとうございます。」

「いえ、お粗末様です。」

こんなもので、そんなに喜ばれたら、却って恐縮しちゃうよ。
でも、本当に美味しい。
今日はたくさん働いたから、お腹が空いてたのかもしれない。
野菜炒めとスープは当然完食。
ジョゼットさんも綺麗に食べてくれた。



「今日は本当にどうもありがとうございました。」

「いえ、少しでもお役に立てたなら良かったです。」

「とても助かりました。
最近は、家事を頼める人もなく、これからどうしていけば良いのかわからなくて、本当に心細かったんです。」

「ジョゼットさんは家事は苦手なんですか?」

「いえ…実は、母から家事はしてはいけない、と。
子供の頃からずっとそう言われていました。
今までは、母がやってくれてましたが、体調を崩してからは出来なくなり、最初のうちは貴重な薬と引き換えに、近所の人に頼んでいたのですが、その薬もなくなりました。
だから、家事を頼める人もなく、家は荒れていく一方で…母の具合も良くならないし、本当に困ってたんです。」

何となく事情はわかった。
でも、なんでジョゼットさんに家事をさせないんだろう?



(……あ!)



もしかしたら、あの指のことが関係するのかな?
たとえば、子供の頃、料理をしてて指を切った、とか?
イザベラさんはそのことを悔いて、ジョゼットさんに家事をさせなくなった、とか?
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