Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
「異界には親しい友人はいませんでした。」

「それは意外です。
何か理由でもあったんですか?」

「特にはないんですが…忙しかったし、なんとなく煩わしがったのかもしれませわん。」

「今よりも忙しかったんですか!?」

ジョゼットさんが目を丸くする。
確かにここの暮らしはけっこう忙しい。
要するに、以前は働いてだから自分の時間が少なかったってことかな。



(……いや、そうじゃないな。)



気持ちにゆとりがなかっただけかな。
なんかいろんなことが煩わしかったよね。
家事をするのも、働くのも、生きていくこと自体も。
なんか、やたらと疲れてたよね。



でも、今は毎日やる気に満ち溢れてる。
変われば変わるもんだね。
やっぱり、一度死にかけたせいかな。
それとも環境が変わったせいかな。
どちらにせよ、私の人生は今、とても充実している。



「そうですよね。今の方が忙しいはずなのに、当時はなぜかゆとりがありませんでした。」

「異界では男女関係なく働くと言われてましたね。
余程、開かれた世界なのでしょうね。
それに魔法使いでなくともとても便利みたいですし、幸せな世界なんでしょうね。」



幸せ…か。
確かに便利な世界だけど、幸せかどうかは別問題だ。
不思議だけど、どちらかといえば、今の方が幸せなような気さえするよ。
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