Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
(そういえば……)



「あ、あの、私は生贄って、具体的にどうされるの?
まさか、ワニとかライオンに食べさせる、とか?」

「わにとからいおん?
なんでございますか、それは。」

「だから、猛獣よ。
肉食の…」

「そんな恐ろしいことはなさいません。」

とりあえず、ホッとした。
猛獣ではないみたいだ。



「じゃあ、どんな…」

「巫女様は、神の森へ捧げられます。」

「神の森?」

あれ?意外と前向きな名前じゃない?
ちょっと怖さが薄れた気がする。



「はい、別名を魔の森と申す森です。」

「魔の森…」

そう聞くと、なんか怖いね。
悪魔でもいるって言うの?



「一体、どういう森なの?
何か猛獣でもいるの?」

「森については全く分かりません。」

「どういうこと?」

「森に入った者で、戻って来た者はいないのです。
一旦入ると、絶対に出られない森なのです。」

「え……」

ま、まさかね。
そうよ、きっと伝説。
多分、深い森なんだろうけど、出られないはずはない。
うん、大丈夫。
私、そんなに方向音痴じゃないし。
暗くなってからこっそり森を出て、町まで行って警察に助けを求めよう!
不意に湧き上がった希望に、私は胸を弾ませた。
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