Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。




「えーっ!」



大きな声を上げてしまい、私は焦って、口を押さえた。



大変なことに気付いてしまって、私の鼓動は跳ねまくる。



今日の夕飯はとても贅沢なものだった。
何かの肉がメインディッシュだったのだけど、柔らかくて肉汁がたっぷりで、いかにも高級なものだった。
お酒も美味しかったし、野菜も新鮮で、食べきれない程出て来たし、言うこと無かった。
温かいお風呂も使わせてもらったし、私は生贄に選ばれたという非常事態も忘れて、とてもリラックスして…



ふかふかのベッドでうとうとしてた時、ものすごく唐突に気付いたんだ。



言葉が通じてるってことに。



私は、フランス語はちょっとした挨拶と単語をいくつかしか知らない。
それなのに、ここに来てから、言葉に全く不自由してない。



(なんで~~??)



そのことに気付いてしまったら、眠気は一瞬で吹き飛んだ。
もしかして、ここはフランスじゃないってこと?
でも、どう考えても日本だとは思えない。



(えー……)



ここ、どこ?



それに、なんかおかしいんだよね。
家電が全くないんだ。
明かりだって、蝋燭。



(ってことは……)



た、た、た、タイムスリップ!?



「えーっ!!」



「巫女様、大丈夫ですか!」



大きな声を出してしまったから、メイドさん達が駆け込んで来た。
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