Forbidden Love~どうか私に鏡を下さい。
イザベラさんが疲れた様子だったから、話はそこまでということになった。



(ジョゼットさんに鏡のことをお願いしてみよう。)



ジョゼットさんは家の中にはいない。
また薬を作ってるのかと作業場にも行ってみたけどそこにもいなくて…



(どこに行ったのかな?)



私はあたりを見て歩いた。
もう暗いから、そんなに遠くには行ってないと思うのだけど。



(あ、いた!)



「ジョゼ……」

駆け出した私は、異変に気付いて声を潜めた。



ジョゼットさん…泣いてるの?
木陰に座り込んだジョゼットさんは、泣いているようだった。



「ジョゼットさん、どうしたの!?」

「あ……梓さん……」

ジョゼットさんは慌てた様子で涙を拭った。



「……大丈夫ですか?」

「すみません。見苦しいところを見せてしまって…」

「そんなこと…何かあったんですか?」

何かも何も、ありすぎだよね。
復位が無理っていうのが、やっぱり辛かったのかな?



「母上のことが…悲しくて。
私が死んだと思い、母上は亡くなったとのこと。
私はとんだ親不孝者です。」

「そんなことありません。
ジョゼットさんは記憶を封印されてたし、何も知らなかったのでしょう?」

「……はい。母上が亡くなったことも全く知りませんでした。」

多分、噂にはなっただろうからイザベラさんは知ってたかもしれないけど、ジョゼットさんには言わなかったんだろうね。
言ったところで、当時のジョゼットさんは深い意味は感じなかっただろうけど。
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