【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
「そっか、良かった」

 ホッと息を吐くと、いつの間にか近くに来ていた津島先輩に軽く肩を叩かれた。

 様子を伺って会話がひと段落するのを待っていたんだろう。
 小声で「ちょっと代わって」と伝えてきた。

 ついさっき会ったばかりの津島先輩に貸すのはちょっとためらいがあったけれど、別に盗られるわけでもないしと素直に貸した。

「あ、愛良。ちょっと護衛の人に代わるね?」
『え? 護衛って?』

 戸惑う愛良の声が僅かに聞こえてきたけれど、私はさっさとスマホを津島先輩に渡してしまう。


 まあ、その辺りの説明は津島先輩に任せよう。


「あ、初めまして愛良ちゃん。俺は津島悠斗」

 自己紹介から始まり、護衛としてここに来たことを説明している。
 それから田神先生に代わって貰っていた。


「あ、斎。うん、こっちは合流出来たぜ。ああ、じゃあ予定通り……」

 何を話しているのか分からないけれど、することが無くて何となく津島先輩の言葉を聞いていた。


 そう言えば、何で田神先生の事名前で呼び捨てにしてるんだろう?
 浪岡君は先生って言ってたけど、零士は呼び捨ててたよね?

 考えられるとすれば……身内とか?


 なんて考えているうちに津島先輩の話は終わった様だった。


「はい、これサンキュー。愛良ちゃん達、今こっちに向かってるってさ」

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