【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
恥ずかしがるくらいなら言うなー!
「え? いっぱいって、そんなに何度も血を吸われたってことですか?」
愛良の後から入ってきて事の成り行きを見ていた瑠希ちゃんがそう言って驚く。
ある意味血を吸われたっていう方がまだ良かったのかもしれない。
「いえ、血を吸われたのなら匂いで分かるでしょう? それくらい“花嫁”の血は強いから……」
つまり、咬み痕のキスマークではないと暗に言う嘉輪。
それを理解した瑠希ちゃんは真っ赤になった後に真っ青になった。
「えっと……ごめんなさい」
いつも元気な瑠希ちゃんですらしゅんとさせてしまう現状に泣きたくなってくる。
「いや、謝らなくてもいいから……」
そう言いながら周囲に意識を向ける。
赤くなっている顔。
逆に青くなっている顔。
はたまた怒りを前面に出している表情。
様々だった。
ああ、もう。
どうしようこの状況。
困り果てていると、大きなため息が聞こえた。
零士だ。
「そんなことはどうだっていい。さっさと寮に帰るぞ。……愛良を休ませてやらないと」
と、愛し気な目で心配そうに愛良だけを見ている。
ああ、うん。
零士はブレないね。
どんなことがあっても愛良一筋だ。
でもその零士の発言のおかげで、とにかく帰ろうかということになった。
零士に感謝はしたくないけれど、あれ以上詮索されたり腫れ物の様に扱われたりしなくて済んで助かったとは思った。
「え? いっぱいって、そんなに何度も血を吸われたってことですか?」
愛良の後から入ってきて事の成り行きを見ていた瑠希ちゃんがそう言って驚く。
ある意味血を吸われたっていう方がまだ良かったのかもしれない。
「いえ、血を吸われたのなら匂いで分かるでしょう? それくらい“花嫁”の血は強いから……」
つまり、咬み痕のキスマークではないと暗に言う嘉輪。
それを理解した瑠希ちゃんは真っ赤になった後に真っ青になった。
「えっと……ごめんなさい」
いつも元気な瑠希ちゃんですらしゅんとさせてしまう現状に泣きたくなってくる。
「いや、謝らなくてもいいから……」
そう言いながら周囲に意識を向ける。
赤くなっている顔。
逆に青くなっている顔。
はたまた怒りを前面に出している表情。
様々だった。
ああ、もう。
どうしようこの状況。
困り果てていると、大きなため息が聞こえた。
零士だ。
「そんなことはどうだっていい。さっさと寮に帰るぞ。……愛良を休ませてやらないと」
と、愛し気な目で心配そうに愛良だけを見ている。
ああ、うん。
零士はブレないね。
どんなことがあっても愛良一筋だ。
でもその零士の発言のおかげで、とにかく帰ろうかということになった。
零士に感謝はしたくないけれど、あれ以上詮索されたり腫れ物の様に扱われたりしなくて済んで助かったとは思った。