男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
「まぁ、男性方のお着替えはさほど時間はかかりませんので大丈夫ですが、それでもシャワーには入って頂いて、爪ぐらいは綺麗に整えさせて頂きたいわ。」
マリーはそう言って、カイルの衣装をクローゼットから取りに部屋を出て行った。

「カイル様はどんな衣装を着られるの?
見てみたいです。」

「軍人ですから、普段とさほど変わり映え無いかと思いますが…。
白地に腕章やら軍章やらがびっしりついた軍服ですわ。」

黒い軍服姿は良く見たが、白い軍服はレアだと思い心が躍る。

端正な顔立ちのカイルが着れば多くの令嬢がきっとたちまち目を奪われてしまうだろう。

「それは…きっとカイル様がモテ過ぎて困ってしまいますね…。」
サラは心配になって俯いてしまう。

「ご心配をなさらなくても大丈夫ですよ。
カイル様はサラお嬢様以外、目もくれませんから。」
ふふふとカンナが笑う。

助っ人に来た使用人も、
「そんなに仲がお宜しいのですね。」
と、にこやか笑う。

「辞めてください。
カイル様はきっと、場慣れしない私を気遣って過保護にされているだけですから。」

「いいえ。サラお嬢様、ご主人様は本気ですよ。形だけかとお思いですか?
貴方は本当に、愛されて大切にされています。

あんなに周囲の男性を牽制して、独占欲丸出しですから。3年間お世話していますが、あの様なご主人を見たのは始めてでございます。」

「そうですよ!もっと自信を持って下さい。
その薬指の指輪もとても高そうなお品です。」
助っ人に来た使用人もそう言ってサラを持ち上げてくれる。

「ところで貴方のお名前は?
バタバタしていて聞きそびれてしまっていました。」

「私はララと申します。
普段は国王陛下の身の回りのお世話をしていますが、今日は御令嬢がたのお手伝いをと、言いつかっておりますから、何なりとご指示下さいませ。」
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