男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
外は知らぬ間に暗くなっていた。
月明かりと外灯の中いくつもの馬車が行き交い、着飾った人々が通り過ぎて行く。

サラはカイルに手を引かれ、綺麗な装飾に飾られた馬車に乗る。
屋根付きの馬車は椅子もソファのようにふかふかで乗り心地がとても良い。

馬車の中には小さなシャンデリアまで付いている。
「凄い綺麗ですね。」
サラが驚き馬車内をキョロキョロと見回す。
カイルはそんなサラを愛おしそうに見て、目を細めて微笑む。


「団長、失礼します!
我々も馬でついて行きますか?」

「1人はさっき部屋にいた使用人から目を離すな。もう1人はついて来い。」

「了解しました。」
指示を聞いて団員は素早く動く。

本当に今日で辞めてしまうんだろうかとサラは思ってしまう。

「サラは要らない心配はするな。
俺が側に居るから大丈夫だ。」

カイルはサラの手をそっと握る。
「手が冷たい。」

「大丈夫です。
始めての舞踏会なので、緊張してるだけですから。」

にこりと笑ってみせる。
< 242 / 282 >

この作品をシェア

pagetop