男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
有り難くオレンジジュースを受け取って、2人でグラスを軽く合わせてから、サラは渇いた喉を潤す。

「はぁー、美味しいです。」
身体の隅々までオレンジの爽やかな酸味が行き渡り、ホッとため息を落とす。

「ここに来るまでに何人もの男どもがサラを見ていた。隙あらば近付いて来そうだから気を付けろ。」
カイルは不機嫌にそう言ってサラを見つめる。
無理も無い、今日のサラは綺麗すぎる。

色とりどりのドレスの中で、一際アイボリー色のドレスが映えて、控えめの色合いにもかかわらず逆に目がいってしまう。

それに、今日の髪型は少し伸びた髪をアップにまとめて、華奢な白いうなじが目に入る。

これは目に毒だとカイルが思うほど色気がダダ漏れだ。

それに、その愛らしい笑顔を振りまけば、たちまち会場内の男共の視線を奪ってしまうだろう。
無自覚の美しさは罪だと自覚して欲しい。

「それを言うなら、カイル様の方が絶対おモテになられます。何人のご令嬢が微笑みかけたことでしょう。」
サラはそう言って心配そうな顔で見上げる。

「そうか?」
当の本人はまったく気付いてないようだ。

白い軍服は黒いタキシードが多い中で、どうしても目立ってしまう。
それに伴い見目美しい丹精な顔つきと、スタイルの良さとが相まって世の中の女性の視線を一気に集めてしまう。

「これを飲んだら、仕方ないから国王陛下に挨拶に行くか。」
ついでにと言うような口調が可笑しくてついサラは笑ってしまう。


「カイル!やっと来たな。」

一息ついていた所に不意に声をかけられる。

「お疲れ。今の所問題はないか?」
カイルと同じくらい長身の男が近付いてくる。カイルはサラの前に立ち男の視線からサラを隠す。

「ああ、警備は万全だ。
それよりも、サラ嬢に挨拶もさせてくれないのか?」
声の主はサラでも分かる。
カイルの後ろから顔を出して挨拶をする。

「お久しぶりです。ショーン副団長様。」
微笑みかけて軽く会釈をする。

「ああ、サラ嬢!お元気そうで何より。
ドレス姿は初めて見るがとても美しい!
任務中じゃなければ一緒に踊って頂きたかったな。」

「おい!サラに近づくな。」

片手を出して握手をしようとするショーンをカイルは威嚇する。

「そう噛み付くなよ。
独り占めはよく無いぞ。もっと心を広く持つべきだ。
サラ嬢、こいつに愛想が尽きたら是非俺に声かけてくれ。」

「…それはこの先も無いかと…。」
サラは返事に困ってしまう。

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