年下彼氏の結婚指導
 ──まあつまり。職場恋愛だったから、元彼の情報は簡単に入ってきてしまう訳だけれど、その分会社側の配慮もあり、自衛も出来る。精神的にはそれなりに大変だったけれど、その件を経験し、良い職場に勤められて良かった……くらいの感想しか今はもうない。

 ──あれ?

 何故こんな話をしているのか。
 華子は内心で首を傾げながら酔った頭で経緯を振り返った。
(えーと確か、話の流れで廉堂君に恋人がいるか聞いて……)

 それで、自分の話なんてつまらないから仁科さんの話を聞かせて下さいとか何とか持ち上げられ──
(いつの間にやら……)
 自分の事情を包み隠さず白状する羽目になっていた。
(え、何この子怖い)
 華子の冷静な部分がはたと身を固くする。
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