白虎の愛に溺れ死に。
組長の娘を相手にするのだ。当たり前といえば当たり前なのだけれど…
お前とは絶対に過ちを犯したくないと言われているみたいでなんだか切ない。
子供ができたら責任とる、くらいの気概が欲しい、とか…
付き合っているわけでもなく、ましては匡は私の性欲処理に付き合っているだけなのだから、責任の意味が分からないよね。
こんなの頭悪い馬鹿女の思想だって分かってる。
分かってるけどダメなんだ。私、匡のことになると、本当に我慢が効かないし馬鹿なんだ。
どうせビニールに包まれゴミとして捨ててしまうくらいなら彼の子種を体内に取り込みたい、と、
こうやって、口に出してくれるようにおねだりする私は、匡のせいで中々性的に歪んでしまっている気がする。
ビュクビュク…と、小魚の踊り食いのように口に入ってきたそれを舌で口内に回したあとごくんと飲み込めば、「見せて?」と匡が私の顎をくいっとあげる。
勿体つけるように口の端にこぼれた白濁を指で口の中に押し込んだ後、べえっと舌を出して口を開ければ
「得意げな顔しちゃって…。ど偉い怪獣育てちゃいましたね、俺。」とクスクス笑って私の頭を撫でた。
…私は匡が好きだ。愛してる。
昔から最も近くにいた、世界で最も美しくて私に尽くしてくれる男を…好きにならない方が無理だった。
他の男なんていらない。匡のためなら死ねるし、匡のためなら生きていける。
だからね、…関係性は本当の本当はどうでもいいの。
大学の友達が彼氏ができただとか、大学卒業したら結婚するだとか…そんなことを嬉々として報告されるたび少しだけ羨ましいけれど…
私は匡がそばにさえいてくれれば、それでいいって、実は思っている。
思っているから、好きという言葉を軽く流されても、深くは踏み込まない。…踏み込めない。
逃げられたら困るんだ。私のお世話係として、こうやって性欲処理という名前でも体を重ねてくれる日々がなくなるなんて今更考えられないんだもん。
本気の愛を伝えて逃げられるくらいなら、このままがいい。
そうすれば…匡は私のそばから一生離れないでいてくれるでしょう?
…この時の私は、…本気でそんなことを考えていた。