白虎の愛に溺れ死に。
「いいよ、莉音を嫁にするまでは見せないって決めてたから、ようやく見せる時が来て嬉しいよ。」
「…え?どういう…こと?」
言葉の意味が分からずキョトンと見上げると、シャツの全てのボタンを外し終わった匡がニッと笑って肩からシャツを外す。
顔と一緒で彫刻のように作り込まれた美しい体。
所々に残る、刃物の消えない傷跡も…彼の勲章なのだろうと整理すれば、増えては欲しくないけれど、格好いいと思う。
肩から肘にかけて入った刺青は、匡の青い瞳を連想させる藍色の水飛沫のような柄。
初めて見る匡の裸にドキドキと胸をときめかせつつも…心の中の疑問は未だ消えない。
そんな私の心情を読み取ってか、フッと柔らかく笑みをこぼした匡は、「引かないでくださいよ?莉音さん」と何故か敬語に戻って私に背を向けた。
「…っ、」
「これを彫ったときから、気持ちは変わってません。」
「…匡、それ…」
匡の背中に描かれているのは、匡を象徴する青い瞳の白虎。
そしてその後ろに守られるように描かれるのは…獅子。
…私を象徴する、ライオン【LION】だった。
「体に好きな男の名前彫る、メンヘラ女みたいでしょう?」
「…、そんなこと…」
「流石にこれ見たらキモくて逃げられるかな、って今まで隠してきたんだけど…もう捕まえたし、いいかな?って。」
「…っ、」
悪戯っ子みたいに可愛く笑った匡にキュンと胸が跳ねる。
キモくなんかない。仕方なくわたしの世話係をしているのだと思っていたあのときから、匡は私を守る覚悟をしてくれてたんだって…すごく嬉しい。