白虎の愛に溺れ死に。
「この綺麗な体に墨入れるなんて、絶対許しません。」
「…ん、…でも、匡の刺青…綺麗、だよ?」
「馬鹿か、一緒にすんな。莉音の肌はこの白いのがいいの。」
「…」
「この体にキズつけないために今まで大事に守ってきたのに、俺への愛の証明だなんだ訳のわからねえ理由でキズ付けてきたら俺、ぶっ倒れるからな?」
「…うん…、」
少し口を尖らせて頷くと「納得いかないって顔してんな?」と匡は呆れたように笑った。
「本当、我儘なお嬢だ。」
「…だって、……ん、ぁ」
胸の膨らみに這った唇が、キュっとそこを吸い上げる。
小さな痛みとともに肌に残った赤い証。匡はそれを愛おしそうにぺろりと舐めてからこちらを見上げた。
「墨なんて余計なもんじゃなくて、もっと良いもんで体中飾りますよ。」
「……」
「こっちの方がよっぽど愛の証明っぽいでしょ?」
いつもは私がお願いしてからじゃないとつけてくれなかったキスマーク。
それを匡が自分からつけた。
こちらを見上げて首を傾げる楽しそうな微笑み。サラリと眉間に落ちる黒い前髪。
ああ、匡は本当に…もう私の“お世話係”じゃないんだ…
そのことを改めて実感して…、鼻の奥がツンとして胸がいっぱいになった。
「…分かった。虎は彫らない。」
「…ん。」
「だから、…いっぱい私に跡つけて。」
瞳に涙を溜めてそう頼めば、匡は口角をくいっと持ち上げてから再び私の肌に唇を沈めた。