白虎の愛に溺れ死に。
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ゆりかごの上のような心地よい揺れを感じながら、熱った体をゆっくりと冷ます私は、真上に位置する彼の顎を見上げ、「もう、…匡の馬鹿…」と唇を尖らせて彼を睨んだ。
全ての罪を匡に被せた私の抗議の声を、批判するでもなく、でも悪びれる様子もなく…「はは、すみませんね。」なんて適当に謝る匡は、いつだって余裕で腹が立つ。
どんなに大人ぶって匡を煽ってみたっていつもヘトヘトになって足腰立たなくなってしまうのは私の方。
「もう許して。」って泣きながら喚くのは私の方。
でも、またして…ってせがむのも私の方。
いつだって、匡は大人で私は子どもで。
それが悔しくて。でも背伸びすることなく、こうやって思い切り匡に甘えられる時間も好きだから…とりあえず私は強欲で我儘な奴なんだな、って自覚する。
キッチンでドロドロになった私たちは、そのままお風呂場に向かった。
父親こだわりの天然の石材と檜で作られた旅館風のお風呂。
この家に越してきてから、匡の帰りが遅くなければいつも一緒にお風呂に入っていて、そこでの私の定位置はいつも匡の膝の上。
「俺は莉音さんのお世話係ですから?」なんて、また都合良く“お世話係”に戻る彼は当たり前のように私の体を隅々まで素手で洗ってくれるのだが…
「好きな女の体触ってて、ヤらない方が頭おかしくない?」
「…っ、おかしくないよ、馬鹿」
「えぇ?結局『…匡〜』って可愛くおねだりするの誰だよ。俺は我慢しようとしたのに、もう一回したいって言ったの莉音だろ?」
「……匡、うざい。嫌い、」
「へー?俺はだーいすき。」
「…、」
珍しく子供っぽい満面の笑みを見せつけて、私の頬にチュッとキスをする匡に不覚にもキュンとしてしまい、ただでさえ赤い顔をさらに熱くすれば、
「ん?…尚更のぼせちゃいました?」なんて、形のいい唇が意地悪く口角を上げた。