白虎の愛に溺れ死に。




布ズレの音に肩を揺らしてこちらを向いた二人の警官。
俺の裸を見て大きく広がる四つの瞳。


浮いたあばら。服の下に広がる赤黒い幾つもの痣。脇腹の目立たないところに点々と残る火傷痕。


体の傷は母親と、母親が連れてきた男によってつけられたものだった。


普段は俺のことを空気のように扱うくせに、機嫌によっては思い出したように俺を痛ぶってストレスを晴らすのだ。


警官の後ろの窓に反射した自分の姿はひどく醜い。


痩せ細った体も、身体を染める痣も……母親の上で腰を振る、外国人たちと同じ青い瞳も…。



何もかも…、嫌だった


生きてる意味が分からなくて、でも生きるために必死で…。



「…助けて、…助けてください、」と、先日テレビドラマで見た子役を真似してわんわんと泣いた。


同情を引くためなら何でもよかった。とにかくこのチャンスを無駄にして地獄に戻るのだけは絶対に嫌だったのだ。


こうした決死のアピールにより、深夜ながらすぐに児童相談所で保護されることとなった俺は、それっきり母親と会うことはなかった。


児童相談所から連絡を受けた母親は、あっさりと俺を捨てて児童養護施設に預けることに決めたのだ。


別に寂しくなんかなかった。
俺にとって母親は、“母親”という肩書きだけのただの他人で、嫌悪の対象でしかなかったから…。


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