白虎の愛に溺れ死に。
頭を埋め尽くすのは『気持ち悪い』ということ。
私の体に触れるのは、世界でたった一人。
全人類で一番美しいあの男以外許されないというのに。
でも、この暑苦しい熱を振り払えば…きっとこの店を即クビになってお金の当てがなくなる。
そうなれば、夫婦になって初めての匡の誕生日が台無しになってしまうのだ。
それだけはあってはならない。
「…あ、あの…和田さん、…このお店、お触りは厳禁って…」
「ははっ、気にしない気にしない!金なら出すからさ!アフター行こうよ!MARIAのことは気にしなくて良いから」
「…でも、」
せめてもの抵抗で和田さんの肩をグイッと押すが、ただ照れているだけとでも思われているのか、「気強そうな顔してウブなのが可愛いね」と腰を撫でてくるから本当に気持ちが悪い。
「…あの、本当にやめ…」
「足もこんなに細くて…」
「…っ、!」
「俺的にはもう少し肉がついていた方が好みかな?」
ドレスのスリットからスッと差し込まれた手のひらが太ももの内側を撫でた。
ゾゾゾ…と鳥肌が立ち、「やめてください…っ!」と反射で立ち上がった…その刹那。
「…莉音?」
「っ、」
聞き慣れた、低く、よく響く声が背後から届いた。