磁石な恋 ~嫌よ嫌よは嫌なだけ?~
「うわっ!!えっ!?サンタクロース!?いてっ!」

入ってきたのは雑貨チームの後輩である島田だった。ドアを開けて悠馬の姿を認めた途端、驚いて壁に後頭部をぶつけトレードマークの黒縁メガネが床に落ちた。悠馬はそれを拾って差し出しながら平静を装おうとする。

「お、おう、島田。どうしたこんな時間に。」

「北岡さん!?こんな時間まで残業ですか?最近残業減ってたのに。っていうかその格好は・・・。」

「こっこれか?これはだな・・・あっ、その、妹の子ども・・・姪っ子の為にサンタに・・・。」

「妹さん、福岡じゃなかったでしたっけ?」

「そうなんだけどさ、ほら、あれだよ、あれ、そのー、あっ!あのテーマパークに行きたいって言ったらしくて、そのオフィシャルホテルに泊まってんだよ。そこでサンタやってさ。俺はさ、ほら、そそっかしいだろ?だから仕事残ってんの思い出してよ。」

「そうだったんですか。」

「お前こそどうしたんだよ。今日は家族でパーティーだからって早退してたじゃねぇか。お前も仕事か?それとも嫁さんと喧嘩とか・・・。」

デスクの下で息を潜める真海は『全くデリカシーないんだから。』とひやひやしていた。
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