甘い恋をおしえて
佑貴は暴走しないよう、なるべく彼女と顔を合わさないようにしてきた。
それでも莉帆は、まるでこっちのスケジュールを予知しているようにマンションで彼を迎えてくれるのだ。
結局、佑貴はマメに家に帰るようになっていた。
来年の春で、結婚してから三年になる。
(そろそろ潮時か)
佑貴の心に生まれた莉帆への執着がこれ以上膨らまないうちに、彼女を自由にしなければならない。
家のためだけに嫁いでくれた莉帆を、宮川家に縛り付けてはいけないのだ。
別れる決心をする頃だと佑貴は思い始めていた。
(だが、その前に確認しておかなければ)
佑貴は知りたかった。
気にしないように努めてきたが、千紘が隠す我が家と高梨家との因縁はなんだろう。
祖父は許嫁だった小夜子の孫を嫁として迎えることができて満足そうだ。
祖父の婚約破棄と菓子鉢事件以外に、まだなにかあるんだろうか。
(別れる前に知っておくべきだ)
それこそが、莉帆を宮川家に縛り付けてしまった理由なのだろうから。