甘い恋をおしえて
***
銀座みゆき通りから少し外れた場所に、香風堂の和カフェはある。
莉帆が姉の梓と協力して、内装からメニューまで工夫を凝らした店だ。
京都風の趣があるのでオープン当時は年配客が中心だったが、最近ではレトロな雰囲気が逆に渋いと若い女性にも受けている。
莉帆が工夫した普通より少し濃いくらい抹茶味を効かせたアイスのパフェとか、アレンジを加えたわらび餅が評判になっていた。
「ねえ、莉帆。この前の話だけど」
「なに?」
お昼の客が一段落した時間、店の奥にある厨房で莉帆と梓がヒソヒソ話をしている。
「要さんも言ってたけど、やっぱりあなたの理想が高いんじゃない?」
「そうかな?」
「まずあなたと真逆のタイプがいいって、どうして?」
梓はずけずけと聞いてくる。
「だって、私は嫌われているんだから佑貴さんは反対のタイプが好みだと思うのよ」
「具体的には?」
「背は私より低めかな~。華奢で愛らしい感じ。ニッコリ笑ったら可愛くて、フェミニンなワンピースとか似合いそうな人」
莉帆は自分と似ていないタイプの条件をあげていくが、かなりハードルが高い。
「やっぱり難しいわ」
「そうかなあ」