悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画～それでも王太子を愛してしまいました

◇

パチリ。

あ、生きてる。

絶対トラックに跳ねられた。
もう死んだと思った。

なのに今このふかふかのベッドの上で目を覚ました。ということは生きてるってことなのじゃないだろうか？

けれど不思議なのは、絶対ひどい事故だったはずなのに身体がどこも痛まないことだ。
それにここは病院なのかしら？ものすごくフカフカで豪華なベッドに思えるのはわたしだけ？

「ここ、どこなの？」

ぼそっと独り言をつぶやいて驚いた。

え？

口からついて出たのはよくわからない言語だ。
それになんだか声が…。

ガバっと布団から上半身を起こし、長い髪の毛先がゆらりと揺れ、視界に入ってきた。

え？何この色…。

わたし髪染めたっけ？
いや、そんなわけ…

と、突然強烈な頭痛が襲い、頭の中で声が響く。

『わたしの人生。あげる』

『え？ちょっ、あなた誰？』

『もう疲れちゃった。けど、あなたの魂の方がわたしのより強そうだから弱かったわたしの身体もきっと強くなれるんじゃないかな？』

『何を言って…』

『あとはよろしくっ！』

『それってどういう意味？』

突然襲ってきたその声は突然途切れた。と思ったらまた恐ろしい頭痛が襲ってきた。


い、痛い…

頭の中心が焼けるようだ…。

やめて…！！


意識の中に恐ろしい情報が流れ込み始め、わたしの魂は悶えた。


お願い…やめて…！！


けれどその情報は流れ込み続け…わたしはもう一度意識を手放した。