悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました


「ふぅーーー」

今日はお風呂にハーブを浮かべてもらった。

今日から食事もみんなととるようにと言われ、今まで2階の部屋でとっていたものをホールに降りてとらなければならなくなった。
食べているものは同じでも、国王陛下や王妃殿下、アシュトンの妹であるマリーナ殿下がいると気を遣う。
アシュトンは公務だとかで留守だった。
今日からたくさん食べようと思っていたけれどなかなかのどが通らない。

けれど、晩餐ではマリーナ殿下の隣の席だったのもあって、仲良く会話をさせていただいた。
今までほとんどお話したことがなかったけれど、甘いものに目がないというのが同じだとわかったので、今度お茶会に招待してもらうことになった。オフィーリアより2歳年下の17歳らしい。

もしかしたら友達になれるかもしれない。

けれど、さすがに疲れたので、お風呂で疲れをとる。

「オフィーリア様。お顔は浮腫みがとれていますわよ。きっとアシュトン殿下のお茶ですわね」

「え?ほんと?」

もしかしたらデトックス効果のあるものなのかもしれない。

「それにしても殿下どうされたのかしら?」

そしたらエレンはクスクスと笑った。

「あんな殿下を久しぶりに拝見しましたわ。たぶんラングの花をご覧になられたのですわ」

「ラングの花を?それでなぜあんなに恥ずかしそうになさるの?」

「ラングレーでは、恋人の瞳の色の花を飾ることで愛を表現するのです」

え?
なんですって?

ラングの花はまるっきりアシュトンのエメラルドグリーンの色だった。
それじゃぁ…

「待って。じゃぁ誤解をされたってこと?」

「誤解だなんて、オフィーリア様」

「誤解よ。だってわたしは別にアシュトン殿下を好きになんて…」

「まぁ。そんなこと」

「でも…」

エレンにはそれ以上は何も言わなかった。
好きとも嫌いとも言えるものでもない。

けれど、完全に誤解を招いたことは確かだ。
次からはあの花は飾らないようにしなければ…。
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