悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
どこにいる?
王宮庭園に出てきょろきょろと探し回る。
そしてはっとした。
今日はリヴァイが非番の日だ。
他の護衛がついているとはいえ…リヴァイほどの信用はできない。
ここかここかと探しているうちにはっと思いあたった。
菜園だ!
オフィーリアが行きそうなところ。
大急ぎで王宮の裏にある菜園へ走ると、真っ暗な中に白く光る影が見えた。
ドレスをサテンの白ベースにしておいてよかったとその時ほど『ラングの風』の店主に感謝したことは初めてだ。
夜会のドレスなので暗闇でも光る糸を折り込んでくれていたようだ。
ガタッと音が聞こえ、間に合っていてくれと思いながら、影の方へ急ぐと、ちょうど男がオフィーリアの手を引っ張ろうとしていたところだった。
グイッとオフィーリアの腰を取ると、アシュトンは、自分の方へ引き寄せた。
「俺の妻に何か用か?」
かなり怒っていたのでどすの利いた声になっていたはずだ。
「え?殿下?え?」
アシュトンが男の股間を蹴り上げるとその場に倒れ込みのたうちまわりはじめた。
遊び人で有名なカシュクート伯爵の息子だ。
もうすでに妻子がいるくせに何人も外で女を孕ませているクソだ。
「誰に手を出そうとしたかわかってるのか?」
と、そこへ息を切らし、護衛騎士がやってきてひざまづいた。
コイツは後で尋問の必要があるなと思いつつ、命じた。
「連れて行け。尋問室に閉じ込めろ」
「はっ。かしこまりました」
カシュクートの息子が去るとオフィーリアに向き直った。
さっきから思っていたが、ガクガクと震えている。
「おまえは…!バカなのか!」
危機一髪で間に合ったからホッとしたのと、もし間に合わなかったらという恐ろしさで、イライラして思わず強い口調になる。
「ご、ごめんなさい」
そしたら、オフィーリアがポロポロと涙を流し始めた。
グラっと体が傾き倒れそうになったので、グイッと正面から抱き寄せる。
「おいっ!」
ポロポロ泣くので焦ったアシュトンはオロオロしてしまう。
「どうした?間に合ったと思ったが何かされたのか?」
そしたらぷんぷんと首を横に振る。
「いいえ…けれど…」
「けれど?」
「こ、こわくて…」
そしてまたガクガクと震え出した。
「もう大丈夫だから、俺に体を預けろ。怒鳴って悪かった。わかったから」
そしてゆっくりと背中を撫でると少し落ち着いたのか、ゆっくりとアシュトンの胸に顔をうずめた。
その小さな身体が自分に寄り添っていることにアシュトンは耐えられなくなっていた。
「落ち着いたか?」
コクコクうなづく。
「オフィーリア」
呼びかけるとハッとしたように一瞬オフィーリアの身体が跳ね、アシュトンを見上げた。
一瞬目が合った。
そしてその後2人は視線を逸らせられなくなった。
王宮庭園に出てきょろきょろと探し回る。
そしてはっとした。
今日はリヴァイが非番の日だ。
他の護衛がついているとはいえ…リヴァイほどの信用はできない。
ここかここかと探しているうちにはっと思いあたった。
菜園だ!
オフィーリアが行きそうなところ。
大急ぎで王宮の裏にある菜園へ走ると、真っ暗な中に白く光る影が見えた。
ドレスをサテンの白ベースにしておいてよかったとその時ほど『ラングの風』の店主に感謝したことは初めてだ。
夜会のドレスなので暗闇でも光る糸を折り込んでくれていたようだ。
ガタッと音が聞こえ、間に合っていてくれと思いながら、影の方へ急ぐと、ちょうど男がオフィーリアの手を引っ張ろうとしていたところだった。
グイッとオフィーリアの腰を取ると、アシュトンは、自分の方へ引き寄せた。
「俺の妻に何か用か?」
かなり怒っていたのでどすの利いた声になっていたはずだ。
「え?殿下?え?」
アシュトンが男の股間を蹴り上げるとその場に倒れ込みのたうちまわりはじめた。
遊び人で有名なカシュクート伯爵の息子だ。
もうすでに妻子がいるくせに何人も外で女を孕ませているクソだ。
「誰に手を出そうとしたかわかってるのか?」
と、そこへ息を切らし、護衛騎士がやってきてひざまづいた。
コイツは後で尋問の必要があるなと思いつつ、命じた。
「連れて行け。尋問室に閉じ込めろ」
「はっ。かしこまりました」
カシュクートの息子が去るとオフィーリアに向き直った。
さっきから思っていたが、ガクガクと震えている。
「おまえは…!バカなのか!」
危機一髪で間に合ったからホッとしたのと、もし間に合わなかったらという恐ろしさで、イライラして思わず強い口調になる。
「ご、ごめんなさい」
そしたら、オフィーリアがポロポロと涙を流し始めた。
グラっと体が傾き倒れそうになったので、グイッと正面から抱き寄せる。
「おいっ!」
ポロポロ泣くので焦ったアシュトンはオロオロしてしまう。
「どうした?間に合ったと思ったが何かされたのか?」
そしたらぷんぷんと首を横に振る。
「いいえ…けれど…」
「けれど?」
「こ、こわくて…」
そしてまたガクガクと震え出した。
「もう大丈夫だから、俺に体を預けろ。怒鳴って悪かった。わかったから」
そしてゆっくりと背中を撫でると少し落ち着いたのか、ゆっくりとアシュトンの胸に顔をうずめた。
その小さな身体が自分に寄り添っていることにアシュトンは耐えられなくなっていた。
「落ち着いたか?」
コクコクうなづく。
「オフィーリア」
呼びかけるとハッとしたように一瞬オフィーリアの身体が跳ね、アシュトンを見上げた。
一瞬目が合った。
そしてその後2人は視線を逸らせられなくなった。