悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
アシュトンのエメラルドの瞳とオフィーリアのアメジストの瞳が絡み合う。

ゆっくりとアシュトンは顔をオフィーリアの方へ近づけていくと、視線を外すと同時にオフィーリアの唇に自身のそれを重ねていった。

そしてひととき重なったそれは、それまで我慢していたものが溢れるように、心の奥底に快感をもたらし、アシュトンはオフィーリアの奥へと自身の舌を侵入させ、全てを味わい尽くそうと、何度もオフィーリアの舌を絡めとった。

「んんっ…」

一度離してオフィーリアを見つめ、それでもまだ満足できず再度重ねる。

2人の唾液がからまり、どちらのものなのかわからなくなるほどに混じり合った時、ようやく満足できたのか、アシュトンは唇を離し、オフィーリアを抱きしめた。

「二度と…一人で出歩くな」

放心状態になったのかだらんとだらしなく腕をおろしたオフィーリアはコクコクとうなづいた。

もう一度ギュと抱きしめる。
ああ…小さい。とても…
壊れそうなくらい。
けど、存在感はめちゃくちゃあるこの女に、間違いなく自分が惚れていると認めざるを得なかった。

もっとこのまま…
いや今すぐベッドに連れて行って…

だが…

「部屋まで送ろう」

そう言うと、ヒョイっとオフィーリアを抱き上げた。

「あのクソカシュクートを断罪する必要がある」

「きゃっ」

抱き上げられたことにびっくりしたらしいがおそらく。

「今、お前は歩けまい」

「なぜ?」

「腰が抜けてるだろう?」

「それはっ…」

カシュクートのせいで…。

こんなにもオフィーリアを恐怖に陥れたあの男を絶対に許さない。

アシュトンは決意を新たにオフィーリアを部屋まで送るとエレンに戸締りを徹底するように伝え、アシュトン付きの剣士2名をオフィーリアの部屋の前につかせると、尋問室に向かったのだった。
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