悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
◇
「奨学金はどこから捻出するつもりだ?」
「これを見てください。王宮の菜園で年間これだけの作物が無駄になってしまっているのです」
オフィーリアの報告書には驚かざるを得なかった。
いつの間にこんなに調べたんだ?
体力回復のために毎日庭園を散歩して、ただ菜園で植物を愛でているだけではなかったというのか?
「こんなにも…」
自分が知らなかったことを恥じた。
王太子として情けない。
「これを売るのです」
「売る?」
「はい。それも高値で」
「高く売るというのか?」
「王宮産というだけでお金持ちの庶民は飛び付きます。実際カール爺さんが最高級肥料を使って丁寧に育て上げたものですから。ブランド名をつけて売ればブルジョア階級の庶民の間で瞬く間に売れますわ」
何ということを思いつくのだと感心するばかりだ。
「孤児院の子どもたちで奨学金を得たいものに選抜試験を毎年開催すれば、子どもたちは必死で勉強や練習をするはず。そうなると庶民のレベルが上がりますし、その孤児がアカデミーに通うことで、ブルジョア階級の庶民たちも触発されて勉強するようになりますから、全体的な庶民のレベルを格上げできるのです」
「ここまで調査済みなら、言うことはないな。ならば…そなたにこの事業を任せても良いか?」
孤児院のことは王太子に決裁権がある。王の決裁は不要なのだ。
「いいのですか?」
オフィーリアの顔が輝いた。
やはりその顔は…反則だ。
「ああ。そのかわり…外出するときは必ず護衛騎士を2人連れて行くことと孤児院は俺と日程を合わせて慰問に行く。これを約束してくれ」
「はいっ」
「あと…補佐がいるだろう?」
「え?」
「事業をするなら誰かつけないとな…そうだな…」
誰が適任か…
女性の職員で…となると…
やはり…イザベルになるか…。
よし、これをテストにしよう。
「イザベルをつけよう」
「ええっ!」
オフィーリアが少し大きな声を上げたので思わず目を合わせると、
「いえ…でも…いいのかしら?」
と何やら独り言を言っている。
「よし。これで決まったな。さあ。昼ごはんに行くぞ」
「え?」
「今日は俺の部屋のテラスで昼を用意させてる。一緒に食べよう」
「一緒にですか?」
ポカンとあっけに取られたような顔。
こんな顔見たことない顔で新鮮な気がして…こう言う顔も最高に可愛い。
「いいから来い。さ、早くこないならまた抱っこするぞ」
「いえっ!行きます!」
そう言うと大慌てで立ち上がった。
まだ前よりは嫌われてないかな…。
少しは気を許して話してくれてるような気がする…。
さて。
あとはどうやってオフィーリアとの仲を進展させていくかだな。
うーん…
どうするかな…
テラスにエスコートしながらアシュトンは頭を悩ませているとはオフィーリアはつゆ知らず、今は孤児院事業のことで頭をいっぱいにさせているのだった。
「奨学金はどこから捻出するつもりだ?」
「これを見てください。王宮の菜園で年間これだけの作物が無駄になってしまっているのです」
オフィーリアの報告書には驚かざるを得なかった。
いつの間にこんなに調べたんだ?
体力回復のために毎日庭園を散歩して、ただ菜園で植物を愛でているだけではなかったというのか?
「こんなにも…」
自分が知らなかったことを恥じた。
王太子として情けない。
「これを売るのです」
「売る?」
「はい。それも高値で」
「高く売るというのか?」
「王宮産というだけでお金持ちの庶民は飛び付きます。実際カール爺さんが最高級肥料を使って丁寧に育て上げたものですから。ブランド名をつけて売ればブルジョア階級の庶民の間で瞬く間に売れますわ」
何ということを思いつくのだと感心するばかりだ。
「孤児院の子どもたちで奨学金を得たいものに選抜試験を毎年開催すれば、子どもたちは必死で勉強や練習をするはず。そうなると庶民のレベルが上がりますし、その孤児がアカデミーに通うことで、ブルジョア階級の庶民たちも触発されて勉強するようになりますから、全体的な庶民のレベルを格上げできるのです」
「ここまで調査済みなら、言うことはないな。ならば…そなたにこの事業を任せても良いか?」
孤児院のことは王太子に決裁権がある。王の決裁は不要なのだ。
「いいのですか?」
オフィーリアの顔が輝いた。
やはりその顔は…反則だ。
「ああ。そのかわり…外出するときは必ず護衛騎士を2人連れて行くことと孤児院は俺と日程を合わせて慰問に行く。これを約束してくれ」
「はいっ」
「あと…補佐がいるだろう?」
「え?」
「事業をするなら誰かつけないとな…そうだな…」
誰が適任か…
女性の職員で…となると…
やはり…イザベルになるか…。
よし、これをテストにしよう。
「イザベルをつけよう」
「ええっ!」
オフィーリアが少し大きな声を上げたので思わず目を合わせると、
「いえ…でも…いいのかしら?」
と何やら独り言を言っている。
「よし。これで決まったな。さあ。昼ごはんに行くぞ」
「え?」
「今日は俺の部屋のテラスで昼を用意させてる。一緒に食べよう」
「一緒にですか?」
ポカンとあっけに取られたような顔。
こんな顔見たことない顔で新鮮な気がして…こう言う顔も最高に可愛い。
「いいから来い。さ、早くこないならまた抱っこするぞ」
「いえっ!行きます!」
そう言うと大慌てで立ち上がった。
まだ前よりは嫌われてないかな…。
少しは気を許して話してくれてるような気がする…。
さて。
あとはどうやってオフィーリアとの仲を進展させていくかだな。
うーん…
どうするかな…
テラスにエスコートしながらアシュトンは頭を悩ませているとはオフィーリアはつゆ知らず、今は孤児院事業のことで頭をいっぱいにさせているのだった。