悪徳転生公女の他国王太子妃生存計画~それでも王太子を愛してしまいました
◇
「温室育ちのあんたなんかになにがわかんのよ!」
地下牢へ入ったとたん、その悪臭が鼻をついた。
かなり劣悪な環境。
イザベルはかつての美貌がどこへ消えたのか、すっかり変わり果てたまるで老婆のような姿をしていた。
オフィーリアを見つけるなり睨みつけると吐き捨てるように言って牢の中のゴミをオフィーリアの方に投げつけてくる。
一緒にきていた護衛騎士がイザベルを制しようとしたがオフィーリアが止めた。
「あんたみたいなヤツがアシュトン様の心をもらっていいはずがない。アシュトン様の心はずっとわたしのものなんだからっ!」
「ちがうわ。イザベル。アシュトン様の心はアシュトン様のものよ。わたしたち誰のものでもない。あなたはそれを間違った」
「うるさい!バカなくせに!貴族に生まれただけのことしゃない!わたしはたまたまバカな両親の元に生まれた。その違いだけでなぜこんな思いをしなきゃならないの?」
「わたしはできることならあなたに孤児院事業を引っ張ってほしかった。もっとあなたみたいな境遇の子を救い出すことに力を注いで欲しかった。けれどあなたは他の子たちが自分のようになることを恐れた。自分の地位を脅かされたら困ると…思ったのでしょう?」
「……」
「それは間違いよ。イザベル。脅かされてる時点で…あなたは負けてる。だから。あなたの負けよ」
「わかってるわ」
イザベルは静かにつぶやいた。
もう…大きな声を張り上げはしなかった。
「あなたのことは今でも憎いわ。けれど…負けたことはわかってる。さっさと斬首刑にしてちょうだい。潔く、死んでやるから」
結局はイザベルは最後まで自分本位な女性だった。
このまま生かしておけばまた同じことを繰り返すだろう。
さようなら。
イザベル。
わたしの、推し…。
オフィーリアは地下牢を出た。
「温室育ちのあんたなんかになにがわかんのよ!」
地下牢へ入ったとたん、その悪臭が鼻をついた。
かなり劣悪な環境。
イザベルはかつての美貌がどこへ消えたのか、すっかり変わり果てたまるで老婆のような姿をしていた。
オフィーリアを見つけるなり睨みつけると吐き捨てるように言って牢の中のゴミをオフィーリアの方に投げつけてくる。
一緒にきていた護衛騎士がイザベルを制しようとしたがオフィーリアが止めた。
「あんたみたいなヤツがアシュトン様の心をもらっていいはずがない。アシュトン様の心はずっとわたしのものなんだからっ!」
「ちがうわ。イザベル。アシュトン様の心はアシュトン様のものよ。わたしたち誰のものでもない。あなたはそれを間違った」
「うるさい!バカなくせに!貴族に生まれただけのことしゃない!わたしはたまたまバカな両親の元に生まれた。その違いだけでなぜこんな思いをしなきゃならないの?」
「わたしはできることならあなたに孤児院事業を引っ張ってほしかった。もっとあなたみたいな境遇の子を救い出すことに力を注いで欲しかった。けれどあなたは他の子たちが自分のようになることを恐れた。自分の地位を脅かされたら困ると…思ったのでしょう?」
「……」
「それは間違いよ。イザベル。脅かされてる時点で…あなたは負けてる。だから。あなたの負けよ」
「わかってるわ」
イザベルは静かにつぶやいた。
もう…大きな声を張り上げはしなかった。
「あなたのことは今でも憎いわ。けれど…負けたことはわかってる。さっさと斬首刑にしてちょうだい。潔く、死んでやるから」
結局はイザベルは最後まで自分本位な女性だった。
このまま生かしておけばまた同じことを繰り返すだろう。
さようなら。
イザベル。
わたしの、推し…。
オフィーリアは地下牢を出た。