天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
家に帰ると啓介さんにメッセージを送った。

【今帰りました。佐倉さんとお寿司を食べました】

するとすぐに着信があった。

『おかえり。楽しかった?』

「はい。佐倉さんにプロポーズ用の指輪をもらいました」

『はぁ??』

聞こえなかったのかな?

「指輪です。エンゲージリング?」

『なんで茉莉花が?』

不機嫌な声でそう聞かれ、話してはいけなかったのかと少し萎縮してしまった。
返事のない私の様子に彼はハッとしたようで声色が優しくなった。

『ごめん、怒っているんじゃないんだ。でも何故社長から指輪をもらったんだ?』

「佐倉さんが母にプロポーズするつもりで用意していたようです。それを25年待ち続けていて、ようやく母の手元に届いたんです。なので今さっきうちの仏壇に置いてあげたところです」

私が小さな声でポツポツ話すと彼は無言になった。そして電話口からはため息が聞こえてきた。

はぁー……。

「啓介さん?」

『ごめん。プロポーズの指輪をもらったってどういうことなんだ、とイラッとしてしまった。社長が茉莉花にあげるわけないのに、つい焦って』

「佐倉さんが私に? そんなわけないですよ」

私は彼の声のトーンにホッとして肩の力が抜けた。

『ははは。そうだよな。ごめん』
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