天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
「きっと相談に来てくれると思ってた。私が悩んでたのと同じ悩みだよね?」

コーヒーとお菓子を持って来て私の正面に座った。
私はコーヒーを受け取りながら頷くと蘭子も頷いたいた。

「私も初めてでどうしたらいいのかすごく悩んだよ。それに怖かったし、緊張するし、でも大輔くんと離れたくないし」

私の今の気持ちと同じだ。
啓介さんの事が好き。好きだからこそ嫌われたくない。けど初めてだから深い関係になるのが怖い。それでも好きだから彼から離れたくない。
私の頭の中のループは蘭子が感じていたものと同じだ。みんなが通る道なのかもしれない。

「うん。私も同じ」

「すごく緊張したんだよ。大輔くんは無理しなくていい、いつまででも待つって言ってくれたの。でもね、あの日大輔くんの家に泊まりに行ったら自然とそういうことになった。私も大輔くんとくっついていたいって思ったの」

蘭子が頬を赤らめながら私に教えてくれるふたりの話にドキドキしながら耳を傾けた。

「いつものようにふたりでいたけど、私が大輔くんとの距離がもどかしくなった。全てをさらけ出すって恥ずかしいけど、大輔くんじゃなきゃ嫌だって思ったの」

「そっか」

「竹之内さんだって茉莉花に無理強いはしないと思う。もし無理強いするような人ならやめたほうがいいよ。あとは、茉莉花の気持ちが追いついて来たらでいいんじゃないかな。茉莉花がこの人なら、と思える日が来たら自然とそうなればいいよ。相手に流されて関係を持つのは違うんじゃないかな」

私は頷いた。
蘭子の話はストンと心に入って来た。
啓介さんは私に無理強いは絶対にしないと言い切れる。キスだって私の様子を見ながら軽く触れ合う程度。それだって私の限界がくる前に終わらせている。彼にとって物足りないかもしれないが、私にはキャパオーバーぎりぎり。もっと進みたいのかもしれないが彼から求められた事はない。

「その時が来たら自分でわかるものなの?」

「そうだね、私には分かったよ。大輔くんとの距離のもどかしさを感じたの。気を遣って拳ひとつ分開いた距離が私たちの関係だと思ったら寂しくなったの。彼ともっと深いところで繋がっていたいと思ったの」
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