天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
薄明かりの中正面に見える港や観覧車がとても素敵で、今ここにいるのが夢にように思える。
啓介さんはキャンドルに火を入れてくれ、シャンパンをグラスに注いでくれた。

「メリークリスマス」

お互いのグラスをそっと合わせた。
シャンパンが口の中で弾け、柑橘類のような爽やかな香りがした。
啓介さんはポケットから小さな箱を取り出し私の手の上に乗せてきた。

「開けてみて」

隣に座る彼は私の腰を抱き寄せ密着してきた。
私は彼に渡された小箱を開けるとネックレスが出てきた。
ゴールドのチェーンにピンクともオレンジとも言えないような輝く石がトップについており、サイドにダイヤがついていた。

「綺麗……」

「気に入った?」

「はい! でも初めて見ました。なんていう石なんでしょう」

「パパラチアサファイアだよ。この石を見た時に茉莉花に似合うと思ったんだ。つけてあげても良い?」

彼は小箱の中に入ったネックレスを取り出すと私に後ろをむかせ、ネックレスをつけてくれた。

「うん。今日の洋服によく映えるな」

そういうとネックレスの位置を確認しながら、また私の横にピッタリとくっつくように腰を抱き寄せてきた。
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