天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
部屋に戻ると時刻は21時を過ぎていた。
テーブルには小さな箱が置かれており、中に入っている花をお風呂に入れるようメモが添えられていた。

「これでフラワーバスができるんだ。さっき取り寄せておいた。実はうちのAnge fleur Jusminでも同じようなものを扱いたいと模索してるんだ」

フラワーバスだなんてテレビや本の中だけの話だと思っていた。真っ赤なバラが何本も入っており、手に取ると良い匂いがした。

「後で入ってみるといい」

私は非日常を楽しむような気持ちで高揚した。

「それよりせっかくのクリスマスだ。ちょっと待ってて」

部屋の電話からフロントに何か頼んでいた。しばらくすると部屋をノックされ、ワゴンに乗せられたケーキやシャンパンが運ばれてきた。
テーブルに並べられ、キャンドルを置いていくと客室係はさっと部屋から出ていった。
寒いため外のバルコニーで夜景を見ながらとはいかないが、ソファに隣同士並んで座りケーキとキャンドルを目の前に置くと部屋の照明を落とした。
< 152 / 167 >

この作品をシェア

pagetop