天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています

私は仕事が休みになってから色々な事がありすぎて胸の中がざわつき、処理しきれない。
蘭子が仕事だとはわかっているが、私はあったことを報告した。何かしてほしいわけではなく、誰かにただ聞いてもらいたかった。

すると蘭子から【帰りに寄る】とだけ短いメッセージが届いた。

その一言でようやく張り詰めた糸が緩んだ。

先日仕入れた食材で夕食の支度をしながら待っていると18時をすぎ、ノックする音が聞こえた。

「はーい」

「茉莉花？　私。開けてー」

いつもの明るい蘭子の声が聞こえてきてホッとしてしまう。

茉莉花は両手にビニール袋を下げ、背中にはいつものリュックを背負っており大荷物だった。

「どうしたの？　すごい荷物だね」

「うん。お泊まりグッズ買ってきた。話が長くなりそうだからね。それにひとりで家にいるのは心細いでしょ？」

「うん……ありがとう」

蘭子は本当に人の心を読むのが上手だ。
いつも私の不安な気持ちに寄り添ってくれ、支えてくれる。母が亡くなった日もすぐに駆けつけてくれ、私を心から支えてくれた。

蘭子に夕飯を出し、ようやく一息ついたところで本題になった。