天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
会場に着くとかなり大きな流派の展覧会らしくのお弟子さんを始め多くのお客様がきていた。

竹之内さんは近くにいた着物の女性に声をかけていた。

「先生、展覧会の開催おめでとうございます。本日はご招待いただきありがとうございました」

「あら、竹之内くんじゃない。お隣の可愛い女性は彼女なの?」

「いえ、まだ友人です」

「林田茉莉花と申します。この度はおめでとうございます」

私は隣で頭を下げると女性は笑っていた。

「竹之内くん、手強そうな彼女ね。でもちゃんとマナーを知ってらっしゃる素敵な人じゃない」

「ありがとうございます」

ごゆっくり、と言うと他の方へ挨拶に回るため離れて行った。

会場は色とりどりの花が飾られ、大きな花器に飾られたものから玄関に置けるようなサイズのものまであり見応えがあった。
どうしたらこんな形になるのだろうと言うような造形作品もありひとつひとつ立ち止まって眺めていた。
前に一度だけ母と訪れたことがあるがその時も今のように大きな展覧会だった。ふたりで感想を伝え合いながら回ったことを思い出した。
母は今思えば花が好きだったのだろう。家に飾ることは滅多になかったがふたりの誕生日には少しだが買ってきて飾ったものだ。

「この花、何て言うんですか?」

「ブルースターだね。花言葉がいいからよく結婚式でも使われる花だよ」

「どんな花言葉ですか?」

私は可愛らしいブルーの小花を見ながら尋ねた。

「幸福な愛とか信じる心とか言われているよ」

「そうなんですね」

母はこの花言葉を知っていたのだろうか。
知っていてこの花を選び買っていたのだろうか。
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