天涯孤独となったはずなのに幸せに溢れています
「いつかはそういう関係になるかも知れないけどもっとお互いを知ってからだって遅くはないんだよ。大丈夫」

啓介さんは握った手と反対で私の頭を抱き抱えた。

「好きだから我慢できる。茉莉花を傷つけないってさっき言っただろう? 焦らずいこう」

私は彼の腕の中で頷いた。
友人から恋人になり彼の声は今までと違い甘くなった気がした。

「明日は一緒におやつを食べようか。茉莉花が持ってきてくれるなら急いで仕事を片付けるよ」

「はい。午後一緒に食べましょう」

彼も頷くとまた手を繋いで歩き始めた。
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