お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!
 アイリーンにとっては、ベッドも随分堅く感じられた。

(・・・・・・・・堅いな、このベッド。ベッドでこんなに堅いって事は、床はもっと堅いって事よね。私、本当にやって行かれるのかな? でも、客船には乗れないし。デロスから東に進めば、しばらく停泊する場所はパレマキリアの港になるはず。パレマキリアで乗り換えるのは危険だけれど、最悪、エクソシア帝国の港でなら、客船に乗り換えてタリアレーナまで行かれるかもしれない。でも、お金足りるかしら? タリアレーナ迄辿り着ければ、叔母様が助けて下さるけれど、それまではアルフレッドが用意してくれたお金でしのがないと。念のために、お金に変えられそうなアクセサリーを持ってきたけれど、フレドからアクセサリーの換金は最終手段で、軽々しく換金してはいけないと教えられた。町娘に近い身なりの私が高価な宝石を持ち込めば、窃盗の疑いがかけられるかもしれないからと。換金するのはタリアレーナに着いてから、叔母様にお願いするようにと釘をされたものね。タリアレーナ、お兄様はどこに行ってしまわれたの? ヴァイオリンを諦められないと仰っていらしたのに、音楽院も欠席して、ヴァイオリンは叔母様の屋敷に置き去りにしたまま。お兄様、今どこで、何をなさっていらっしゃるの?・・・・・・・・)

 不覚にも、日頃の疲れからか、堅いベッドの上に横になったアイリーンは考えながら眠ってしまった。

☆☆☆

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