お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!
「そりゃあ、普通の女性には待てないでしょうね。二年前に成人って事は、その女性、もう二十歳超えてる訳でしょう? 親兄弟が居ないなら、即結婚か、もっと手に技術を付けるために留学する。それがまともな判断じゃないですか?」
 カルヴァドスに言われ、アルフレッドは少し腹立たしい気分になった。
「だって、あなたは貴族でしょう? 結婚するって言っても、平民の女性となんて、家族が許さないはずだ。しかも、王女様との婚約を解消されたばかり。そんな事、女性には、はなからわかっていたはずです。自分を選んだ理由が王女様に似ているからとかね・・・・・・」
 カルヴァドスに言われ、アルフレッドは自分のシナリオの失敗に気付いた。
「だって、もし貴族の娘なら、親兄弟がいなければ、平民のように暮らしているかも知れないが、結婚前に体は許さない。それをお金で囲われて、体を許したって事は、平民でしょ相手の女性は・・・・・・」
「そ、それは、まあ・・・・・・。でも、彼女は元々貴族の屋敷で働いていたから、そこらの貴族のお嬢さんよりも、もっとお嬢様って感じでした。ただ、親兄弟を亡くして、行き場を失っていたから、たまたま、俺の提案に乗っただけだったんだろうな・・・・・・」
 アルフレッドは必死に取り繕った。万が一にも、アイリーンが見つけられ、お金で体を許すような女だと思われ、歴史変なことをされたら大変だからと、必死に言葉を重ね、どれほど本気で愛しているか、結婚できるなら、家と名を捨てても良いくらい思っていることを付け加えた。
「そんなに愛してるんなら、追いかけたらどうです? タリアレーナまで」
 カルヴァドスの言葉に、アルフレッドは俯いた。
「出来るものなら、そうしたい。だが、港の入口にパレマキリアが海軍を展開してるのはご存知でしょう?」
「まあね。入港するために、ぐるっと回らされてるのを沢山みましたからね」
「北は、もっと大変です。国境線より数キロも陸軍に侵攻されています。もともと、デロスの軍はお飾り同然です。イエロス・トポスが六ヶ国同盟に依頼している和平調停も、パレマキリアが嫌がるので駐留軍は置かないようにしているから、実質は侵攻されてからの仲裁です。そのせいで、過去何十年も国境線がそのたびに動いているのは、エクソシアの方なら、ご存知でしょう?」
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