お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!
カルヴァドスに『アイリ』と呼ばれ、アイリーンは一瞬ドキリとした。それは、兄のウィリアムとアルフレッド、それに父である国王しか呼ばない呼び方だったからだ。
「ああ、ごめん。アイリスの愛称はアイリで良いかと思ったんだけど、皆には、ローラって呼ばれる方がいいよな?」
「できたら、その方が嬉しいです。あの、カルヴァドスさんのことは何と呼べば宜しいですか?」
恋人なのに、愛称ではなく、名前で呼ぶのは不自然なのかなと、アイリーンも尋ねた。
「俺のは、好きで良い。名前のままでも良いし、『あなた』とか、『ダーリン』なんてのも歓迎だけど、レディは名前で呼ぶのが気が楽だろ? 特別に、恋人の演技が必要な時は、そうだな、『カル』とか、適当に呼んでくれればいい」
「わかりました」
「俺は、仕事にはいるから、出航間近まではバタバタしてるから、部屋には来ない。ゆっくり休んでてくれ。もし、俺に用があるときは、晴れてるときは部屋を出て右に進んで、階段の上にある船長室の前が俺の定位置。天候が悪いときは、逆の左に行ったサロンが定位置。でも、天候が悪いときは、外にでず、その紐を引くこと。そうすると、手の空いてるクルーがご用聞きに来るから、絶対、悪天候の時は独りで外にでないこと。矢加速できるか?」
カルヴァドスの真剣な表情に、アイリーンは悪天候の船の上が、どれほど危険なのかを察することができた。
「はい。約束します」
「じゃあ、後で・・・・・・」
カルヴァドスは言うと、名残惜しそうに部屋を出ていった。
アイリーンは、金庫の中にお金と宝石の殆どをしまった。多少手元に残しておいたのは、誰かに何かを頼むとき、お礼のチップが要るかもしれないと思ったからだった。
それから、カーテンを閉めて着替えをした。
船の外では、それなりの貴族の娘に見える服を着ていたアイリーンだったが、船の中の通路の狭さを乗船の時の階段で垣間見たので、スカートが膨らまないよう、簡易のパニエも脱いでしまった。
それから、ブラウスとスカートという、完全な町娘スタイルについて着替えると、大きく一度延びをした。
(・・・・・・・・カルヴァドスさんに出逢わなかったら、私独りでは船に載せて貰えず、今頃、アルフに泣いて助けを求めていたかもしれない。幸運にも、パレマキリアの兵にも見つからず、こうして船に乗せて貰うこともできた。後は、無事にタリアレーナに着いて、お兄様を見つけ、国につれて帰るという、一番大切な仕事に集中しなくては・・・・・・。お兄様からのお手紙は、何度も読んで暗記してきた。お友達が危機的状況にあり、緊急でお金が必要になったから、緊急用の金を換金するかもそれないと、でも、銀行からは連絡はなかった。叔母様からのお手紙に、お兄様が風紀の悪い歓楽街に出入りしているのを確認したと、出入りを止めるように強く言った後、お兄様は姿を消した。だとしたら、その、歓楽街で何かが起こったに違いない。お兄様は今も、そのお友達と一緒にいるのかも・・・・・・・・)
考えているうちに、アイリーンの意識は朦朧としてきて、眠りに落ちそうになりながらも、アイリーンは海の女神に航海の安全を祈り、祈り終えると深い眠りに落ちていった。
☆☆☆
「ああ、ごめん。アイリスの愛称はアイリで良いかと思ったんだけど、皆には、ローラって呼ばれる方がいいよな?」
「できたら、その方が嬉しいです。あの、カルヴァドスさんのことは何と呼べば宜しいですか?」
恋人なのに、愛称ではなく、名前で呼ぶのは不自然なのかなと、アイリーンも尋ねた。
「俺のは、好きで良い。名前のままでも良いし、『あなた』とか、『ダーリン』なんてのも歓迎だけど、レディは名前で呼ぶのが気が楽だろ? 特別に、恋人の演技が必要な時は、そうだな、『カル』とか、適当に呼んでくれればいい」
「わかりました」
「俺は、仕事にはいるから、出航間近まではバタバタしてるから、部屋には来ない。ゆっくり休んでてくれ。もし、俺に用があるときは、晴れてるときは部屋を出て右に進んで、階段の上にある船長室の前が俺の定位置。天候が悪いときは、逆の左に行ったサロンが定位置。でも、天候が悪いときは、外にでず、その紐を引くこと。そうすると、手の空いてるクルーがご用聞きに来るから、絶対、悪天候の時は独りで外にでないこと。矢加速できるか?」
カルヴァドスの真剣な表情に、アイリーンは悪天候の船の上が、どれほど危険なのかを察することができた。
「はい。約束します」
「じゃあ、後で・・・・・・」
カルヴァドスは言うと、名残惜しそうに部屋を出ていった。
アイリーンは、金庫の中にお金と宝石の殆どをしまった。多少手元に残しておいたのは、誰かに何かを頼むとき、お礼のチップが要るかもしれないと思ったからだった。
それから、カーテンを閉めて着替えをした。
船の外では、それなりの貴族の娘に見える服を着ていたアイリーンだったが、船の中の通路の狭さを乗船の時の階段で垣間見たので、スカートが膨らまないよう、簡易のパニエも脱いでしまった。
それから、ブラウスとスカートという、完全な町娘スタイルについて着替えると、大きく一度延びをした。
(・・・・・・・・カルヴァドスさんに出逢わなかったら、私独りでは船に載せて貰えず、今頃、アルフに泣いて助けを求めていたかもしれない。幸運にも、パレマキリアの兵にも見つからず、こうして船に乗せて貰うこともできた。後は、無事にタリアレーナに着いて、お兄様を見つけ、国につれて帰るという、一番大切な仕事に集中しなくては・・・・・・。お兄様からのお手紙は、何度も読んで暗記してきた。お友達が危機的状況にあり、緊急でお金が必要になったから、緊急用の金を換金するかもそれないと、でも、銀行からは連絡はなかった。叔母様からのお手紙に、お兄様が風紀の悪い歓楽街に出入りしているのを確認したと、出入りを止めるように強く言った後、お兄様は姿を消した。だとしたら、その、歓楽街で何かが起こったに違いない。お兄様は今も、そのお友達と一緒にいるのかも・・・・・・・・)
考えているうちに、アイリーンの意識は朦朧としてきて、眠りに落ちそうになりながらも、アイリーンは海の女神に航海の安全を祈り、祈り終えると深い眠りに落ちていった。
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