エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
「それがいきなりの結婚だから驚いたよ。見合いとはいってもあっという間のスピード婚。よっぽど珠希さんのことが気に入ったんだね」
「ち、違います。気に入ったのは私の方なんです。初めて会ったときから碧さんをいいなと思っていて……あっ」
珠希は慌てて口を押さえた。耳や首まで真っ赤にし、ぶんぶんと首を横に振っている。
伝えるつもりのない碧への想いが口を突いて出てしまい、恥ずかしさと後悔で心臓がばくばくと音を立てている。
「いいねえ、新婚さん」
笹原は面白がるような目で、珠希を眺める。
「違うんです。あの、でも、違うわけではなくて、でも碧さんには言ってなくて」
「照れなくていいよ。僕はうれしいんだ。仕事一辺倒で色気のある話のひとつもなかった宗崎に、ようやく訪れた幸せだからね。昨日、早速仲人をお願いされたから、喜んで引き受けたよ」
「仲人……」
碧からはなにも聞かされていない。
「妻共々、ふたりの門出を、全力でお祝いさせてもらうよ」
珠希はカフェを出たところで笹原と別れたあと、思いきって碧の様子を見にいくことにした。
遥香の母と笹原から碧の話を散々聞かされて、会いたくてたまらなくなったのだ。
碧を愛していると自覚して以来、珠希は理性よりも感情が先立ち、自身をうまくコントロールできずにいる。
今も碧の仕事の邪魔はできないと頭ではわかっていても、遠目で見るだけだから大丈夫と、自分に言い訳をしている。
結局のところ、珠希はようやく訪れた初恋に胸をときめかせ、右往左往しているのだ。
珠希は一階にある全館案内で脳神経外科の外来の位置を確認し、急いで二階に上がった。
午前診が終了したばかりで、どの診療科の前にもまだ多くの患者が残っている。
途中、診察状況を伝える電光掲示板で確認すると、脳神経外科の第5診察室の担当医師として、碧の名前が光っていた。
「一番奥か……」
「ち、違います。気に入ったのは私の方なんです。初めて会ったときから碧さんをいいなと思っていて……あっ」
珠希は慌てて口を押さえた。耳や首まで真っ赤にし、ぶんぶんと首を横に振っている。
伝えるつもりのない碧への想いが口を突いて出てしまい、恥ずかしさと後悔で心臓がばくばくと音を立てている。
「いいねえ、新婚さん」
笹原は面白がるような目で、珠希を眺める。
「違うんです。あの、でも、違うわけではなくて、でも碧さんには言ってなくて」
「照れなくていいよ。僕はうれしいんだ。仕事一辺倒で色気のある話のひとつもなかった宗崎に、ようやく訪れた幸せだからね。昨日、早速仲人をお願いされたから、喜んで引き受けたよ」
「仲人……」
碧からはなにも聞かされていない。
「妻共々、ふたりの門出を、全力でお祝いさせてもらうよ」
珠希はカフェを出たところで笹原と別れたあと、思いきって碧の様子を見にいくことにした。
遥香の母と笹原から碧の話を散々聞かされて、会いたくてたまらなくなったのだ。
碧を愛していると自覚して以来、珠希は理性よりも感情が先立ち、自身をうまくコントロールできずにいる。
今も碧の仕事の邪魔はできないと頭ではわかっていても、遠目で見るだけだから大丈夫と、自分に言い訳をしている。
結局のところ、珠希はようやく訪れた初恋に胸をときめかせ、右往左往しているのだ。
珠希は一階にある全館案内で脳神経外科の外来の位置を確認し、急いで二階に上がった。
午前診が終了したばかりで、どの診療科の前にもまだ多くの患者が残っている。
途中、診察状況を伝える電光掲示板で確認すると、脳神経外科の第5診察室の担当医師として、碧の名前が光っていた。
「一番奥か……」