エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
「それに、そのときカフェにいた別のドクターも、珠希を見かけて声をかけようか迷ったって、笹原先生に珠希のことをわざわざ確認してまで言いに来たよ。ちなみに俺の同期の外科医で、グリシーヌの藤君に似てると評判のイケメン」
「えっ。藤君?」
碧の腕の中、目を輝かせ声を弾ませた珠希を、碧は眉をひそめ睨み付ける。
「あ……ごめんなさい」
碧の鋭い眼差しに、珠希はしょんぼりうつむいた。
「でも……あのとき店内に藤君ほど格好いい人はいなかったような……」
「そういう問題じゃないだろ。ったく、これだから、外に出すのは嫌なんだよ」
「碧さん?」
顔をしかめてなにやらつぶやいている碧を、珠希は困った顔で見上げた。
笹原であろうが藤君に似ているイケメンであろうが、相手が碧でなければ誰でも同じ。
それにナンパ自体自分には縁遠い話で、万が一声をかけられたとしても、ただでさえ男性に慣れていないのだ、ついていくわけがない。
「これからも碧さんの顔を潰さないように気をつけますから、大丈夫ですよ。そういうのには慣れてますから」
「……は? 慣れてるって、ナンパに?」
眉をひそめる碧に、珠希は首を横に振る。
まさか、それはあり得ない。
「今まで〝和合〟という名字のせいで私が和合製薬の関係者だとすぐにばれるので、会社の看板に傷がつかないように行動には注意していたんです。これからは碧さんの評価が下がらないように気をつけますから、安心してください。いくら音楽以外のことに無知だとしても、そのあたりの常識は備えているつもりですよ」
こころなしか胸を張り誇らしげに語る珠希を、碧は目を丸くして見ている。
珠希はなにか場違いなことでも言ってしまったのかと、不安を覚えた。
「碧さん……?」
「い、いや。なんでもない……」
ハッと我に返ったように声をあげると、碧は片手を口に当て、肩を揺らして笑い始めた。
「えっ。藤君?」
碧の腕の中、目を輝かせ声を弾ませた珠希を、碧は眉をひそめ睨み付ける。
「あ……ごめんなさい」
碧の鋭い眼差しに、珠希はしょんぼりうつむいた。
「でも……あのとき店内に藤君ほど格好いい人はいなかったような……」
「そういう問題じゃないだろ。ったく、これだから、外に出すのは嫌なんだよ」
「碧さん?」
顔をしかめてなにやらつぶやいている碧を、珠希は困った顔で見上げた。
笹原であろうが藤君に似ているイケメンであろうが、相手が碧でなければ誰でも同じ。
それにナンパ自体自分には縁遠い話で、万が一声をかけられたとしても、ただでさえ男性に慣れていないのだ、ついていくわけがない。
「これからも碧さんの顔を潰さないように気をつけますから、大丈夫ですよ。そういうのには慣れてますから」
「……は? 慣れてるって、ナンパに?」
眉をひそめる碧に、珠希は首を横に振る。
まさか、それはあり得ない。
「今まで〝和合〟という名字のせいで私が和合製薬の関係者だとすぐにばれるので、会社の看板に傷がつかないように行動には注意していたんです。これからは碧さんの評価が下がらないように気をつけますから、安心してください。いくら音楽以外のことに無知だとしても、そのあたりの常識は備えているつもりですよ」
こころなしか胸を張り誇らしげに語る珠希を、碧は目を丸くして見ている。
珠希はなにか場違いなことでも言ってしまったのかと、不安を覚えた。
「碧さん……?」
「い、いや。なんでもない……」
ハッと我に返ったように声をあげると、碧は片手を口に当て、肩を揺らして笑い始めた。