エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
彼女はもともと珠希たちの母の部下で、その縁で拓真と知り合い結婚したのだが、ふたりは結婚三年が過ぎた今でもまるで新婚夫婦のように仲がいい。
そんなふたりの大切な時間を邪魔するのは気が引けたが、家に帰っても碧には会えず、おまけに今日は大宮から想定外の話を聞かされてしまった。
大宮との見合いに関する話を、聞かずにはいられなかったのだ。
「妙なことって?」
拓真はソファに座り、麻耶からお茶を受け取っている。
「お兄ちゃんの担当病院らしいから、知ってると思うけど。大宮病院の次の院長の大宮臣吾さんだったかな。さっき偶然会ったの」
「ぐふっ……あちっ」
「え? お兄ちゃんっ」
「きゃー、拓真さん、大丈夫ですか? あ、これで拭いてください。やけどとかないですか?」
拓真は淹れたてのお茶を飲んだ途端豪快にむせ、激しく咳き込んでいる。
手にしていた湯飲みからは大量のお茶がこぼれ、麻耶が慌てて拭いている。
「た、たまき、大丈夫だったか? 大宮さんになにかされたりしなかったか?」
咳き込みながらも、拓真は顔を真っ赤にして珠希を気にかけている。
大宮の名前を聞いた瞬間これだけ動揺し、真っ先に珠希を心配している。
これはなにか知っているに違いないと、珠希は確信する。
「お兄ちゃん、大宮さんが私とのお見合いを持ち込んだけど断られたって言ってたけど、それって本当なんでしょ?」
「うわっ。直球だな」
「お兄ちゃん。知ってるんでしょう?」
「いや、それは……俺は知らないというか……そんな話はなかったかなーなんて」
視線を泳がせ曖昧にごまかそうとする拓真を、珠希はじっと見つめる。
「に、睨むなよ」
拓真はばつが悪そうに顔をしかめたあと、渋々うなずいた。
「たしかに、大宮さんから珠希との見合いの話が持ち込まれたのは本当」
これ以上ごまかせないと判断したのか、それまでと違って拓真の声に迷いはない。
そんなふたりの大切な時間を邪魔するのは気が引けたが、家に帰っても碧には会えず、おまけに今日は大宮から想定外の話を聞かされてしまった。
大宮との見合いに関する話を、聞かずにはいられなかったのだ。
「妙なことって?」
拓真はソファに座り、麻耶からお茶を受け取っている。
「お兄ちゃんの担当病院らしいから、知ってると思うけど。大宮病院の次の院長の大宮臣吾さんだったかな。さっき偶然会ったの」
「ぐふっ……あちっ」
「え? お兄ちゃんっ」
「きゃー、拓真さん、大丈夫ですか? あ、これで拭いてください。やけどとかないですか?」
拓真は淹れたてのお茶を飲んだ途端豪快にむせ、激しく咳き込んでいる。
手にしていた湯飲みからは大量のお茶がこぼれ、麻耶が慌てて拭いている。
「た、たまき、大丈夫だったか? 大宮さんになにかされたりしなかったか?」
咳き込みながらも、拓真は顔を真っ赤にして珠希を気にかけている。
大宮の名前を聞いた瞬間これだけ動揺し、真っ先に珠希を心配している。
これはなにか知っているに違いないと、珠希は確信する。
「お兄ちゃん、大宮さんが私とのお見合いを持ち込んだけど断られたって言ってたけど、それって本当なんでしょ?」
「うわっ。直球だな」
「お兄ちゃん。知ってるんでしょう?」
「いや、それは……俺は知らないというか……そんな話はなかったかなーなんて」
視線を泳がせ曖昧にごまかそうとする拓真を、珠希はじっと見つめる。
「に、睨むなよ」
拓真はばつが悪そうに顔をしかめたあと、渋々うなずいた。
「たしかに、大宮さんから珠希との見合いの話が持ち込まれたのは本当」
これ以上ごまかせないと判断したのか、それまでと違って拓真の声に迷いはない。