エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
どこからか聞こえる、ぴちゃぴちゃと濡れた音に珠希の意識が呼び戻されていく。
「……んっ」
「逃げるな。こっち向いて、珠希」
そして、耳もとに会いたくてたまらない人の声が聞こえる。
「ああ……っ」
「ここ、気持ちよさそうだぞ」
「そこ、やだ……あ、碧さんっ……ああ……っ」
身体の芯を突き抜ける快感に襲われて、大声をあげたと同時に珠希は目を開いた。
「はあ……っ。あ、碧さん、ですか?」
浅い呼吸の合間に、胸の先を舌先で弄んでいる碧に向かって声を絞り出す。
「俺以外の誰が珠希を抱くんだよっ」
「ち、ちがっ……ああっ」
荒々しい声が返ってくると同時に胸に鋭い痛みが走り、珠希は身体をのけ反らせた。
「ど、どうして……? 碧さん……?」