エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
「は? 妻を抱いてなにが悪い。いいから感じてろ」
「んっ」

いつもの碧とはまるで違う荒々しい言葉にドキリとした瞬間、脚の間に碧自身があてがわれた。
いつの間にほどよく濡らされていたのか、熱が動くたびに湿り気を帯びた音が部屋に響き、濃密な空気が広がっていく。

「ここ……ベッド?」
「ああ。珠希がいつも俺に抱かれてるベッドだ……くっ」
「あっ……んっ……い、いつの間に……だって私」

たしかソファでハーブティーを飲んでいたはずだ。
拓真の家から戻ってきたあとも気持ちが落ち着かなくて、エンドレスで碧に会いたいと頭の中で繰り返していたはずなのに、どうしてこんなことになっているのか、わからない。

「俺がここまで運んだんだよ。俺を待つならベッドで待ってろ。珠希、こっち向け」

顎を掴まれ、強引に碧と目を合わされる。

「俺だけを見てろ。絶対に俺の側にいろよ。どこにも行くな」

碧は顔を歪め、声を絞り出す。

「碧さん……?」

碧の顔も声も、ひどく苦しげで泣いているように見える。
それに、いつも珠希を抱くときに見せる余裕が、かけらもない。

「な、なにかあったんですか……ああっ」

それまで脚の間の敏感な部分を滑っていた碧自身が、一気に珠希の身体を押し開いた。

「いやあっ……だめっ、む、むり……やっ、あぁっ」

珠希は身体の最奥に埋められた碧の熱がゆるゆると動くのを感じ、甘く啼いた。
碧に何度も抱かれて快感を教え込まれた身体は素直で、無理だと口にしながらも脚が大きく開いていくのを我慢できない。

「上出来」

色香に満ちた声とともに、碧の腰が激しく前後する。
ひどく淫らな音が部屋に響き、珠希の身体が赤く染まっていく。

「珠希っ」

唇が重なり合う。
息苦しさに珠希が顔を背けようとしても、さらに強引に押しつけられた唇が、珠希の吐息を吸い取っていく。


「あっ、……んっ」
「ここだよな」
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