エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
碧は、脳外科の権威である笹原医師の下で学べるほど将来を期待されていることや大病院の後継者というステイタスなど関係のない、優秀な医師だ。
おまけに見た目も魅力的な男性でもある。
これまで多くの女性が彼に惹かれ、好きになったに違いない。
そのひとりが、紗雪なのだろう。
ついさっきも、整った容姿を持つふたりが向き合う姿はまるでドラマのワンシーンのようで、珠希は自分は彼らとはまるで違う次元で生きているように思えて仕方がなかった。
「お医者さまって、突然なに?」
珠希のつぶやきに、碧がいぶかしげに顔を上げた。
すでにアイスを食べ終え、コーヒーを楽しんでいる。
「い、いえ、別に。ただ、やっぱりお医者さまなんだなと思って」
珠希は我に返り、ごまかすように答える。
まさか碧の魅力から目が離せないとは言えず、そっと視線を泳がせた。
「ああ、そういうこと」
口ごもる珠希に、碧は苦笑する。
「あ、あの?」
まさか自身の想いがばれたのかと、珠希は慌てた。
「さっき患者さんの家族に声をかけられたから、それで? 気を使わせて悪い」
「え、そ、そんなことないです。お気遣いなく」
ばれていないようでホッとし、珠希は気を取り直す。
碧の予想通り、店に入った途端、店内で食事をしていた担当患者の家族に声をかけられたのだ。
しかも好奇心いっぱいの彼らとは、挨拶程度のやりとりでは終わらなかった。
『宗崎先生、ご結婚されていたんですね。それもこんな綺麗な方と』
珠希に寄り添うように店内に入ってきた碧を見つけた年配の女性が、ふたりが夫婦だと誤解したのだ。
碧はとっさに離れようとした珠希を制し、落ち着き払った声で対応していた。
『期待に添えず申し訳ありませんが、まだ未婚です。でも彼女との結婚を考えているので、今から口説く予定です』
甘い笑みと迷いのない口ぶりに、患者の家族は興奮して手を叩き、珠希は言葉を失った。
おまけに見た目も魅力的な男性でもある。
これまで多くの女性が彼に惹かれ、好きになったに違いない。
そのひとりが、紗雪なのだろう。
ついさっきも、整った容姿を持つふたりが向き合う姿はまるでドラマのワンシーンのようで、珠希は自分は彼らとはまるで違う次元で生きているように思えて仕方がなかった。
「お医者さまって、突然なに?」
珠希のつぶやきに、碧がいぶかしげに顔を上げた。
すでにアイスを食べ終え、コーヒーを楽しんでいる。
「い、いえ、別に。ただ、やっぱりお医者さまなんだなと思って」
珠希は我に返り、ごまかすように答える。
まさか碧の魅力から目が離せないとは言えず、そっと視線を泳がせた。
「ああ、そういうこと」
口ごもる珠希に、碧は苦笑する。
「あ、あの?」
まさか自身の想いがばれたのかと、珠希は慌てた。
「さっき患者さんの家族に声をかけられたから、それで? 気を使わせて悪い」
「え、そ、そんなことないです。お気遣いなく」
ばれていないようでホッとし、珠希は気を取り直す。
碧の予想通り、店に入った途端、店内で食事をしていた担当患者の家族に声をかけられたのだ。
しかも好奇心いっぱいの彼らとは、挨拶程度のやりとりでは終わらなかった。
『宗崎先生、ご結婚されていたんですね。それもこんな綺麗な方と』
珠希に寄り添うように店内に入ってきた碧を見つけた年配の女性が、ふたりが夫婦だと誤解したのだ。
碧はとっさに離れようとした珠希を制し、落ち着き払った声で対応していた。
『期待に添えず申し訳ありませんが、まだ未婚です。でも彼女との結婚を考えているので、今から口説く予定です』
甘い笑みと迷いのない口ぶりに、患者の家族は興奮して手を叩き、珠希は言葉を失った。