エリート外科医との政略結婚は、離婚予定につき~この愛に溺れるわけにはいきません~
それどころか配送担当の男性たちがエレクトーンを部屋に運び入れるのを、わくわくし
ながら眺めている。
その表情は、売り場に並ぶ楽器を見て目を輝かせていたときの表情と同じだ。
「楽器っていうより、電子機器って感じだな」
無駄のない動きで段取りよく組み立てていく配送担当たちの手際の良さに、碧はひたすら感動している。
「それはそうかも。ネットにつないで本体のアップデートをしたりするんです」
「へえ。そういうこと、全然知らなかったな。今日は宝石といいエレクトーンといい、新しい世界を知れて、俺もアップデートされた気分」
順調に組み立てられていくエレクトーンから目を離さないまま、碧はいっそう笑みを深めた。
設置と設定が無事に完了し、河井は次の配送先へと向かった。今日はあと二軒の配送を抱えているそうだ。
珠希は作業が終わった部屋の拭き掃除を終えると、リビングで碧が淹れなおしたコーヒーを飲みながらホッとひと息つく。
ローテーブルには河井から手渡された使用説明書や保証書などが広げられていて、碧はそれを熱心に眺めている。
珠希はコーヒーを手元に置くと、ラグの上で正座し碧に向き直る。
その改まった様子に、碧は眉をひそめた。
「碧さん、最上級のエレクトーンを買っていただいただけでも申し訳ないのに、わざわざ一室を空けて防音対策までしてもらえて、本当にありがとうございます」
珠希は神妙な面持ちで礼を伝え、その場で深々と頭を下げた。
「いいんだ。俺が勝手に楽しんでるだけだから、気にするな」
碧は慌てて珠希のもとにやってくると、頭を上げるようにと促した。
「珠希の生演奏を自宅で聴けると思えば、大したことじゃない」
「生演奏って、それほどの腕前でもないですから」
恐縮する珠希に、碧は苦笑する。
ながら眺めている。
その表情は、売り場に並ぶ楽器を見て目を輝かせていたときの表情と同じだ。
「楽器っていうより、電子機器って感じだな」
無駄のない動きで段取りよく組み立てていく配送担当たちの手際の良さに、碧はひたすら感動している。
「それはそうかも。ネットにつないで本体のアップデートをしたりするんです」
「へえ。そういうこと、全然知らなかったな。今日は宝石といいエレクトーンといい、新しい世界を知れて、俺もアップデートされた気分」
順調に組み立てられていくエレクトーンから目を離さないまま、碧はいっそう笑みを深めた。
設置と設定が無事に完了し、河井は次の配送先へと向かった。今日はあと二軒の配送を抱えているそうだ。
珠希は作業が終わった部屋の拭き掃除を終えると、リビングで碧が淹れなおしたコーヒーを飲みながらホッとひと息つく。
ローテーブルには河井から手渡された使用説明書や保証書などが広げられていて、碧はそれを熱心に眺めている。
珠希はコーヒーを手元に置くと、ラグの上で正座し碧に向き直る。
その改まった様子に、碧は眉をひそめた。
「碧さん、最上級のエレクトーンを買っていただいただけでも申し訳ないのに、わざわざ一室を空けて防音対策までしてもらえて、本当にありがとうございます」
珠希は神妙な面持ちで礼を伝え、その場で深々と頭を下げた。
「いいんだ。俺が勝手に楽しんでるだけだから、気にするな」
碧は慌てて珠希のもとにやってくると、頭を上げるようにと促した。
「珠希の生演奏を自宅で聴けると思えば、大したことじゃない」
「生演奏って、それほどの腕前でもないですから」
恐縮する珠希に、碧は苦笑する。