冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
「優ちゃん、ありがとう。お母さん重かったでしょう?」
リビングに戻り新しい麦茶をグラスに入れた凛子は座っている優の前にそっと麦茶を置いた。
「重くなかったよ。それを凛子ママが聞いたら絶対怒るぞ?」
「だ、だね。絶対秘密にして。じゃあ、優ちゃんタクシーで帰るよね? すぐに呼ぶよ」
凛子は座布団には座らず、立ったままスマホ画面でタクシーの番号を出した。いつも優が使っているタクシー会社の電話番号は凛子も登録済みだ。右人差し指でタップしようとしたが、パシンッと右腕を優に掴まれた。驚いて凛子は優を見ると、真剣な眼差しで優は凛子を見上げている。
「ゆ、優ちゃん?」
只ならぬ雰囲気に声が震えそうになった。優はきっと昨日のことを聞いてこようとしているのだろう。掴まれた腕からひしひしと伝わってくるような気がした。
「凛子、大事な話があるから座って」
落ち着いたトーンで座るように促される。凛子は逆らうこともできず、無言で優の前に座った。