冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い

「昨日、凛子からのキスを拒んだのは……我慢できなくなると思ったから。あそこでキスしてたら多分俺は凛子を押し倒してた」
「……へ?」


 押し倒す? 聞き間違いだろうか。優が凛子を押し倒すと言ったように聞こえた。凛子はポカーンと魂の抜けたような顔で優を見る。


「凛子」


 優の大きな手が凛子の頬を包み込む。その温かさに凛子もハッと我に返った。頬が燃えるように熱い。


「凛子、俺はずっと凛子が俺の事を兄のような存在として慕ってくれてるのかと思ってた。だから兄として振る舞っていたけれど、でも昨日凛子が俺を男として見てくれているって知って嬉しくて直ぐにでもお前を俺のものにしたいって思ったよ」


 優の熱い視線が凛子を捉える。ずっとずっと欲しかった熱の篭った視線に身体が焦げそうだ。


「だから、ちゃんと言わせてくれ。凛子、俺はずっと凛子のことを妹だなんて思ってない。俺の可愛くて大事な幼なじみであり、大切な女性ってことを」


「――っ」


 なにか言葉にしたいのに、こうも胸が嬉しさでいっぱいになると何も言葉にすることが出来ない。ただただ、優のことを見つめてコクコクと凛子は頷くことしか出来なかった。頷くたびに涙がポロポロと瞳から落ちる。

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