悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
今日会ってきた令嬢は自分の理想の男が現れたら結婚すると言ったのだそうだ。
それから楽しそうに今日会った令嬢の事を話すダリル。
どうやら今までの令嬢とは違い、斜め上の言葉と言動に興味を惹かれたらしい。
それにこんな風に会話をしたのは久しぶりだった。

年相応な単純な解釈と好意に『気の所為では?』と指摘しようかと迷ったが、珍しく前向きな姿を見て嬉しくなった。
けれど、どう考えても無茶な要求である。
「そんな人間はいないだろう?」と適当に躱すと、ダリルは「私は、トリニティ様の理想の男になってみたいんです」と熱く語り出したのだ。
兄として止めるべきかと迷ったが、少し様子を見てみることに決めた。
一連の会話の内容を聞いていたが、ふと疑問を投げかける。

「……お前、避けられてないか?」
「はい! 恐らく」
「あまり良く思われてないだろ、それ」
「遠回しに私の婚約者になりたくないと言っていることも理解しています。けれど、初めて心を惹かれました。とても楽しい人なんです」
「…………」
「私が……僕が理想の男になった時、どんな反応をするのか見てみたくありませんか!?」

目を爛々と輝かせているダリルを見て思っていた。
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