悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
ケリーは荒く鼻息を吐き出すと、素晴らしい手捌きで準備を進めて行く。
薄ピンクの髪はゆるふわカールにする予定を、ストレートにして一つにまとめ上げた。
そして髪を結ぶ事で自然と目を吊り上げていく。
ドレスはフリルやリボンが付いているものから、トリニティが持っているものの中で一番シンプルでタイトなドレスを選んだ。
清楚で大人しい感じならば、元のフリフリ可愛い系でも問題ない事にも気付かずに準備を推し進めていく。
ケリーが「ふぅ……」と額を拭った。トリニティは鏡の前の自分を見て頷いた。
『完璧』である。

「ケリー……貴女天才よッ!」
「私もそう思います! でも、お嬢様にそう言って頂けて嬉しいです」
「わたくし、頑張ってくるわ……!」
「はい! 程よく印象に残らないように頑張ってきて下さいねぇ」
「えぇ! 程よく印象に残らないように全力を尽くすわ」

ーーーこの時はまだ何も気づいていなかった。
ケリーはあざとく頭の回転が早い訳ではなく、ただのド天然だったことも。
そして、ダリルに関するケリーデータが間違った情報だという事も。
そしてモブへの最短ルートを目指したことで、ダリルを含めてトリニティの周囲のキャラクター達の性格が変化してしまう事も……。
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